ー皆さんは、日々生活をしていてこんな風に思ったことは無いだろうか。
「え、なんでこんなものが生まれたの?」
そう、この物語はそんな体験をした一人の少年の物語である。ー
僕はクロキ。不思議なものが大好きな少年、22歳。
日々生活をしていても、いろんな商品を見て、「え、なんでこんなものを作った?」って思うと夜も眠れないぐらい興奮する、そんな極めて普通の少年、22歳。
さて、こんな僕が一番興奮する場所はどこか分かるかい?
何故生産されたか分からない、誰が買うのか分からないような物がたくさん売ってる場所!
ん、何?
違う違う!
ロゴを入れるだけで極端に高くなり、普通の人なら着こなせない派手なデザイン、相場と言う概念の崩壊を招く3万越えのストローとか出す高級ブランド店じゃないよ!
そう、100円ショップだね!
生活に便利な物を100円均一(税抜)で用意している反面、とーってもニッチな層に向けた商品がたーくさん置いてあるんだ!
毎回行くと、沢山突っ込みたくなるそんな夢の場所、100円ショップ。
僕は、興奮を抑えきれず、今回もヨダレをダラダラたらしながらお店に向かった!

もちろん入店して最初に買うのはヨダレ掛け。これが無いと100均は周れない。
よだれかけを付けた僕は、もう100均の商品を水浸しにすることはない。
僕は水を得た魚のように100均を回る。自分の場合は得るどころか口から大量の水を放出していることを考えると世の中って不思議だなと思う。
入店した時には自分のよだれで転びそうになったこともあったが、成長した僕はしっかりと一歩一歩踏み出していく。
キュッキュッと言う音が100均に響く。
定員が怪訝そうな顔で見てくる。僕はにっこり微笑み返す。
ヨダレカケフォームの僕は無敵だ。
そんな中、一つの商品が目にとまる。
いや、正確にはそこに光が差し込んでいたのだ。
最初、光り輝くのは僕のよだれの反射かと思った。
しかし、違う。その商品にはしっかりと光が差し込んでいる。
その商品を手に取った瞬間、何故天が指し示しているのか瞬時に分かった。
その喜びで、商品を抱え込みレジに向かう。
レジに出し大声で叫ぶ。
「これください!!」
この瞬間勝利が確定した。
今日の100均ってこんなに眩しかったっけ。
会計途中に天井を仰ぎながら考える。
どや顔で会計する僕を怪訝な顔で店員が見る。僕はにっこりと微笑み返す。
負けた悔しさゆえに僕に唾を吐きたくなったことだろう。
しかし、僕は興奮してよだれまみれなので痛くも痒くもない。ざまあみろ。
そして!
そんな中手に入れた商品がこちらだ!!!!

お判りいただけただろうか。


なんとこれ、忍者なのに忍んでいないのだ。
柄の部分に忍者がついているが故、ピックスを刺しても忍者は忍べない。まさに頭隠して尻隠さず状態だ。

正解はこっちのはずだ。これじゃ犬神家ピックスだ。
忍者とは「忍ぶもの」と書いて忍者だ。正体が丸々見えている状態になるなんて、それは忍者じゃない。本当なら柄につく必要もない人がついているのだ。むしろ目立ちたがり屋じゃないか!?クラスの集合写真で一番前に寝転んで映る野球部みたいなもんだ。

てかもうこれそいつじゃないか?

いや、「忍者捕獲記念クラス写真」みたいになっちゃったよ!!
どんなクラスだよ…
そんな陽キャラみたいなことしていいのか?
忍者とは陰を極めしものだったんじゃないのか?
人前に出ずダークな部分で活動する孤高のヒーロー、それが我らが忍者だろ?
暗い天井とかに張り付いて、ばれないように水分補給も梅干しで済ますような奴だっただろ!?
こんな忍者、きっとクラスでもはや早弁して、先生にバレて怒られるタイプのやつだろ。後ろから丸見えだし、咀嚼音もするんだよ。てめぇ、逆にクラスの変わり者になりたいからって、隠れたふりして目立とうとして早弁すんな。
なるほどな。そんな「目立ちたがり屋早弁野郎」の弁当に入ってるのが、この「忍ばない忍者ピックス」か。とげとげの「忍」で手をけがしてしまえ。

てか見てくれよ、この刀ピックス。これ抜きながら食べると、村人全員が抜けなかったけど、村で一番ダメだった奴が抜いちゃうパターンの伝説の勇者感出て、楽しい。
このピックスは許そう。

でも、「忍」、てめーらはダメだ。
忍って、「しのぶ」って読むんだぞ!?隠れるって意味の言葉そののままなのに、刺さった時に思いっきり出てきてんじゃねえか!?キャラクターと確立された忍者は100歩譲ろう。でも、概念のお前は許せねえ!!
この、手裏剣だか、風車だか分からない形の忍は何なんだ。
このピックス刺さって違和感ないの、ワンピースに出てくるココヤシ村村長のゲンさんだけ。「忍」じゃナミも笑わないだろう。
表に出ていい「忍」は坂上忍と胡蝶しのぶぐらいだと思う。
ほんと、なんでこんなもん作ったんだよ!(ニコニコッ)
ふぅ、突っ込みしすぎて、ちょっと疲れた…
しょうがないから撮影で使ったやつ食べるか…



「あ、手で忍んだ///」
おわり。
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